(b) レインボウホログラムの再生
図A.9 再生像
これもイメージホログラムの一種であるが,マスターホログラムから再生像をその
まま撮影すると,白色照明光で再生したとき図A.9(a)のように全ての色成分がほ
ぼ重なり,白色の再生像が得られる.しかしこの再生像はボケが生じてしまうため,
透過型ホログラムを製作する際には図A.10のようにマスターホログラムにスリッ
トを設けてレインボウホログラムとする場合が多い.レインボウホログラムもイメー
ジホログラムの一種である.レインボウホログラムは上下の視差を省き,かわりに瞳
の大きさによる波長選択という巧妙な方法で奥行きの深い像でもボケが少ない.また
再生像は図A.9(b)のように光が虹色に回折され,その中に目を置くと再生像が見
える.マスターホログラムに設けるスリットの幅は細すぎると光量が減り再生像にス
ペックルが目立つようになり,太すぎると再生像の特性がイメージホログラムに近づ
いていく.通常は人間の瞳の直径程度,5〜10mm程度とするとよい.
透過型ホログラム製作の光学系を図A.11に示す.また再生の際の白色光源の入
射の様子を図A.12に示す.図A.11においてマスターホログラムを照明する光
は,スリットの部分にだけ光が当たればよいので,対物レンズのかわりに図A.13
のようにシリンドリカルレンズを使用してもよい.
図A.10 感光材料付近の略図
図A.11 透過型ホログラム製作の光学系
図A.12 透過型ホログラムの再生
図A.13 シリンドリカルレンズによるレーザの拡大