<視域拡大ホログラム>
ふつうにホログラムを撮影すると視域は比較的狭いことが多い.その
ため視域を拡大するためにマスターホログラムを撮影する際に,感光材料の上下に鏡
を設置する(図A.16).すると物体から出る発散光は図A.17のように正面だ
けでなく,横方向に発散した光も鏡に反射されて感光材料にとどく.こうしてできた
マスターホログラムをイメージホログラムとして撮影する.イメージホログラムを撮
影するときは当然マスターホログラムと新たに置いた感光材料の上下に鏡を置く.し
かしイメージホログラムをレインボウホログラムとしたとき,水平方向に視差が広が
っても,垂直方向には視差が広がらない.そこで図A.18のようにマスターホログ
ラムにスリットを増やせば,断続的ではあるが垂直方向にも視差が広がる.

図A.16 視域拡大ホログラム製作の光学系

図A.17 物体光の様子

図A.18 マルチスリット