WinFFt ヘルプ

Ver. 1.2a,2000年7月29日更新

コンピュータでホログラムを作ろう!

目次

  1. WinFftとは?
  2. とにかく使ってみる
  3. 使い方
  4. 入力画像ファイルについて
  5. 出力方法について
  6. 像の再生について
  7. あとがき

WinFft とは?

WinFft は2次元の画像からフーリエ変換によりホログラムを計算するプログラムです.このプログラムはフリーソフトですが著作権は作者が保持します.また,使用の結果は保証いたしません.再配布は自由ですが,添付されたファイルを含めそのままの状態で再配布してください.

ダウンロードはこちら:WinFft_.exe (自己解凍式圧縮ファイル.262,326 バイト)

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とにかく使ってみる

#注意:Windowsの設定によってはファイルの拡張子( .bmp など)は表示されません.
  1. まず WinFftをダブルクリックして起動してください.


    起動時のWinFft

  2. つぎに入力(画像)ファイル名を指定します.上の「参照」をクリックしてsample.bmpファイルを選びます.
  3. 「OK」をクリックします.
  4. これで計算が始まります.
  5. 計算されたホログラムは「hologram.bmp」という名前のビットマップファイル形式で保存されます.
  6. 「hologram.bmp」ファイルをダブルクリックして結果を表示して下さい.左上の部分が下の絵と同じなら正しく実行されました.


    計算結果の例

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使い方

まず WinFftをダブルクリックして起動してください.つぎに入力画像ファイル名を指定します.ファイル名の指定には,上の白い四角の部分にファイル名を直接入力するか,上の「参照」をクリックしてファイルを選ぶ方法があります.入力ファイルの形式には制限があります.くわしくは
画像ファイルについてを参照してください.

次に計算結果を出力するファイル名を指定します.ファイル名の指定は入力ファイルと同様に,下の白い四角の部分にファイル名を直接入力するか,下の「参照」をクリックしてファイルを選ぶ方法があります.出力ファイル名を指定しないときは,「hologram.bmp」がファイル名となります.なお,すでに存在するファイルを指定したときは強制的に上書きします.

「タイリングしない」のチェックボックスをチェックするとホログラムファイルのサイズを小さくできます.実際のホログラムのサイズは512 X 512 画素です.この基本パターンのみを保存する時のファイルサイズ 258KB になります.チェックしない場合は,紙のサイズと解像度の指定に応じてホログラムを左右に並べていきます.たとえば,A3判に解像度 100dpi で出力するとファイルサイズは約 1.5MB になります.ホログラムの解像度はプリンタの解像度の三分の一から四分の一程度にすると良い結果が得られます.たとえば, 1200dpi のプリンタなら 300dpi または 400dpi で出力します.その理由は,ファイルの解像度とプリンタの解像度を同じにしてしまうと,出力が黒白の2値になってしまい中間調が出せなくなるからです.

つぎに,「OK」をクリックしてください.計算が始まります.計算の状況はウインドウの下に表示されます.計算が終了したら,ホログラムファイルをダブルクリックするか,ビットマップファイルが表示可能なアプリケーション(「ペイントやフォトショップなど」など)を使用して画像を表示します.

計算されたホログラムファイルを見ても何の画像だかわかりません.コンピュータの画面ではホログラムが再生できないのでプリンタなどで出力する必要があります.その方法は,出力と写真縮小についてを参照してください.

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入力画像ファイルについて

本ソフトで読み込み可能な画像ファイルの形式はWindowsビットマップ(拡張子が .bmp )の8ビット(256 色)のみです.画像としては白黒の中間調を前提としていますので,カラー画像では自動的に白黒画像に変換してからホログラムを計算します.しかし,輝度の近い色同士は区別がつかなくなるので,いったん白黒に変換して画像を確認することをお勧めします.他の形式の画像を利用したい場合は画像処理ソフトなどで変換してください.

入力画像のサイズは制限がありませんが,200画素×200画素程度を推奨します.縦と横の画素数も任意です.ただし,どちらか一方の画素数が256を越えると,縦の場合は上が,横の場合は右が捨てられます.つまり,大きな画像では左下が残ります.また,小さい画像ではホログラムから再生される像も小さくなります.

暗い画像やコントラストの低い画像では良い結果が得られません.どうしても使用したいときは画像処理ソフト等で補正をしてください.また,再生の容易さから言えば,写真よりも単純な線画の方が有利です.

ちなみに,サンプルファイル「sample.bmp」は横が152画素で,縦が169画素です.


サンプルファイル
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出力方法について

計算されたホログラムを再生するには,干渉縞を透明なフィルム等に出力する必要があります.古典的かついまだに使われているのは写真縮小ですが,別の方法もあります.
  1. 写真縮小
    ホログラムをいったん紙に印刷してから写真に撮ることで縮小します.解像力等から言って富士フィルムの「ミニコピーフィルム」の使用をお勧めします.また,正確なピント合わせが必要なのでマニュアル操作が可能な一眼レフカメラを使ってください.当ソフトで計算した結果をA3判で出力し,フィルムいっぱいから四分の一くらいに写る範囲で露光条件を色々変えて試してみてください.
  2. イメージセッターによる出力サービス
    イメージセッターというのは極めて高解像度(5000dpi くらい)のプリンタで,コンピュータのファイルを持参すると,数千円でフィルムに出力してくれます.
  3. OHPシートに直接印刷
    これは,可能ではありますが余りよい結果は保証できません.
  4. 特別なCD-Rドライブで描画
    市販のCD-Rドライブを改造して,ホログラムの計算結果を焼くことができます.下の写真は当研究室で研究している計算機合成ホログラムの計算結果をCD-Rに出力したものです.
     
        レインボウホログラム        カラーホログラムのテスト

    ※このホログラムは特別なCDRドライブを用いて描画しております。詳細は北海道大学・坂本先生のページをご覧ください。(http://www.media.eng.hokudai.ac.jp/~cgh/cdr.htm
  5. その他
    画素ピッチの小さい液晶ディスプレイなどに表示して光を当てると像が再生できます.
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像の再生について

ホログラムを写真縮小などによりフィルムに出力したら,光を当てて再生像を観察します.再生のための光源に必要なことは,「単色で点光源」です.その点で一番良いのはレーザーポインタです.レーザーポインタの場合は,ポインタの光が出たところにフィルムを置いて壁に像を映すこともできます.そうして再生したのが下の写真です.


投射による再生

また,めがねの様にフィルムを目の前に置いて光源を見る方法もあります.レーザーポインタの場合は直接目に光が入ると危険なので,ポインタの光が出たところにメンディングテープなど光を拡散するものを貼り付けます.そうして観察したのが下の写真です.


覗き込みによる再生

めがね式の場合は,レーザーポインタでなくても点光源なら像が再生できます.ただし,電球の様に白色の光源では色のにじみにより像がぼけます.スポットライトや夜景で試してみてください.高輝度の発光ダイオード(LED)でも良い結果が得られます.

白色光による再生

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おわりに

このプログラムはフーリエ変換により2次元画像から手軽にホログラムを計算できます.しかし,元の画像が2次元画像であり,出来上がったホログラムも2次元の像しか再生できません.ホログラムらしく3次元の像を計算したいという場合は,WinCghという3次元データからホログラムを計算するソフトも公開していますのでご利用ください.Webページのアドレスは
http://www.ecs.cst.nihon-u.ac.jp/oyl/Cholo/Cgh/です.ただし,3次元像の場合は元となるデータを用意するのが当ソフトほど容易ではありません.

このプログラムはもともと自分の研究用に作成したので,あまり説明等が十分ではないかもしれません.問い合わせについては,時間に余裕のある場合のみ応じますのでご了承ください.

問い合わせ先
吉川 浩
メールアドレス hiroshi@ecs.cst.nihon-u.ac.jp(迷惑メール防止のため@は全角になっています)
Web ページ http://panda.ecs.cst.nihon-u.ac.jp/~hiroshi/index-j.html